任意整理の判断基準
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ここで一つ注意しておきたいのは、依頼者が申告する借り入れの総額というのは、債権者が請求している金額をそのまま言う場合が圧倒的に多いということです。しかし、その額というのは、多くの場合減額されます。それはどうしてかということを説明しましょう。
金利の上限を定めている利息制限法によると、上限金利は10万円未満の借り入れに対しては20%、10万円以上100万円未満の場合は18%、100万円以上だと15%となっており、それを超える金利を定めても超える部分については無効となります。しかし実際は、サラ金業者はそれよりずっと高い金利を取っています。そこで弁護士は、依頼があるとまず、利息制限法に基づいて引き直し計算というものをします。
例えば、利息制限法の上限金利が15%だとして、サラ金業者が25%取っていたとします。そうすると10%分の利息を取り過ぎているわけです。その取り過ぎた10%分を元本に組み入れます。そうやって、取り過ぎた分をその都度元本に組み入れていくことにより、元本自体をできるだけ減らしていくのです。このような計算の仕方を、利息制限法に基づく引き直し計算と言います。引き直し計算をすると、ほとんどの場合、サラ金の債権はサラ金業者が主張する金額より減額されます。こうして元本そのものを大幅に減らしていくということをします。
そして、弁護士はこの引き直し計算された後の元本について和解案を提示していくことになります。その和解案は、それまでの利息や遅延損害金、あるいは将来の利息をすべてカットし、引き直し計算後の残元本のみを分割して払っていくというものです。その返済にかかる期間の目安が、3年ということになります。3年で分割返済が可能であれば任意整理ということになりますし、不可能ならば自己破産の申立てをするわけです。これが、任意整理にするか自己破産にするかという判断の枠組みです。
それから、個人再生の申立てをするかどうかについては、まず、住宅ローンがあるかどうかということがポイントです。更に、住宅ローンがあるが、自宅を手放すことを望まないかどうか、つまり、そのまま自宅に住み続けたいと強く希望するかどうかがポイントになります。その後に、個人再生の申立ての要件を備えているかどうかがポイントになります。少し具体的に説明しましょう。
一般再生債権を大幅に減らした後でも住宅ローンは残るので、その後長期に渡って住宅ローンは払っていかなければなりません。その支払い能力があるかどうかが一番のポイントになります。長期の返済ですから、安定的、継続的な収入があるかどうか、また、生活費を引いた上で住宅ローンを支払えるだけの返済原資を確保できるかどうかということがポイントになるわけです。細かい要件については民事再生法で規定されているので、その要件に照らし合わせて判断していきます。ですから、債務整理の方法としては三つあるのですが、大きな枠組みとしては任意整理か自己破産かの判断をし、住宅ローンがある場合には個人再生の申立てを考えるということになります。